第59回 髪の毛は染めていますか?
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昨年12月にカカオ(チョコレート)の本を上梓させて頂いたためか、近頃、ポリフェノールが白髪に良いのでは?という取材を受けることが多くなりました。
毛を色づける(例えば黒)細胞をメラニン色素細胞(別名、メラノサイト)と言いますが、これはほとんど毛胞に存在します。毛胞は毛穴の中にあります。この毛胞の中のメラニン色素細胞は確かに活性酸素によって損傷を受けることが分かっています。しかし、これだけ科学が進んでも、白髪の研究は進んでいません(脱毛に関する研究は非常に盛んですが)。
そのような中で、消費者庁の消費者安全調査委員会が立て続けに、毛染めに関する発表を行いました。平成27年10月27日に毛染めによるアレルギーについて、平成28年11月18日には毛染めによる皮膚障害について注意喚起がなされました。
毛染めは図のように分類することが出来ます。毛染めには「酢酸鉛」、「アンモニア」、「パラフェニルジアミン(PPD)」などの着色剤や「パラベン」、「レゾルシノール」などの保存剤が含まれています。これら成分によって障害を受けやすい人はすぐに毛染めを中止する必要があります。面倒でも、事前に皮膚塗布テストを行ないましょう。このテストは30分だけで大丈夫と安心しておられる方がいらっしゃいますが、是非、48時間まで影響を観察して下さい。
美しくなろうと思ったり、おしゃれを楽しもうと思って髪を染めても、自分に合わないものを使っては元も子もありません。毛染め選びは慎重に。
もうすぐ暖かくなります。おしゃれをして外に出てみましょう。