コラム

第60回 春キャベツを食べましょう!

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  • sn

    桜の開花の便りが、南から届くようになりました。今年の冬は厳しく、雪や低温で、野菜の出来が悪く、スーパーの野菜コーナーに行くたびにその値段にため息が出ました。そんな冬も終わり、春野菜が店頭に並ぶようになりました。

    その中で、今、注目を集めているのがキャベツです。キャベツは、胃の粘膜を修復する作用を有するS-メチルメチオニン(別名:キャベジン;この物質が含まれる医薬品もあります)という物質をたくさん含み、身体に良いことは昔から知られていました。しかし、現在では、更に研究が進んで、キャベツが様々ながんを抑えることが報告されています。


    アブラナ科に属する野菜(キャベツ、ブロッコリー、ルッコラなど)ががんだけでなく、その他の慢性疾患の発生を抑えることが報告されています(例えば、Int J Mol Sci. 2017; 18(9) pii: E1890)。これは、これらアブラナ科の野菜が硫黄を含むグルコシノラートという物質を含むためです。図に示すように、このグルコシノラートは身体の中で分解されて、イソチオシアネートになります。これが身体中に存在する酵素・チトクロムP450の働きを抑えます。

    このチトクロムP450は炎症やがん化に関係する酵素です。そして、胃腸では慢性的な炎症はがんを進展させることが分かっています。従って、チトクロムP450の働きを抑え、炎症を起こさなくすればがんになりにくくなるのです。既に、このチトクロムP450を持たないマウスに、発がん物質を食べさせても、ほとんどがんは発生しなかったという報告もあります。


    勿論、まだまだ未解明な部分もありますが、キャベツには発がんを抑える物質が含まれていることは間違いないようです。さて、美味しく、柔らかい春キャベツで何を作りますか?

    仕切り線

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