コラム

第61回 世界は薬であふれてる!?

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  • sn

    新年度になりました。
    就職や入学で新たな道に進まれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    日本の予算も決まり、97兆7000億円余りという驚くべき数字になりました。

    今回はちょっとばかり真面目なお話です。
    この日本の予算をも超える金額になろうとしているのが世界の薬の値段です。
    図に示されるように今年度100兆円に迫り、2020年度には108兆円になると予想されています。近年では個々の薬の値段が高くなっています。C型肝炎薬のマヴィレットは1日分の値段は72,630円です。高額な薬で有名になった肺がん治療薬オプジーボは1年間に1,700万円にもなります。これらは特に高い薬ですが、その他の薬も軒並み高額になっています。この結果、臨床現場では医師が勧める薬を患者さんが断るという場面も増えているようです。

    このように高くなるばかりの薬の対策の一つが、ジェネリック医薬品です。ジェネリック医薬品とは簡単に言えば、特許が切れた薬のことです。薬は日本では25年間特許が認められますので、特許を持っているひとつの会社以外はこれを作ることが出来ません。ですから値段が高いのです。この25年が過ぎるとどの製薬会社でも作ることが出来るので、値段が急に下がります(3分の1程度)。日本ではこのジェネリック医薬品の使用割合が現在60%程度ですが、これを80%まで上げる目標を掲げています。

    毎年増加する医療費を抑えるためにも病気になりにくい身体を作る工夫(特に、食べる物と運動)と共に、ジェネリック医薬品の使用も進めたいものです。

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