コラム

第64回 えごま油は子どもに必要!

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     大人での研究では、えごま油(アルファ-リノレン酸;オメガ3系)の日常的な摂取量と肥満(BMI値)との間には反比例の関係が成り立つことが報告されています(Nutrients 2010, 2, 1212-1230やBr J Nutr 2012, 107(Suppl 2), S107-S116)。
    それでは、子どもはどうでしょうか。子どもの脂肪の量(脂肪細胞の数)は青年期の初め(14歳程度)までに決まります。つまり、その人が太り易いかどうかは子どもの頃に決まるということです。この子どもの時期に、えごま油を摂ることの影響に関する研究が行なわれています(Eur J Clin Nutr 2015, 69(2), 167-172)。

     この研究はいわゆる疫学研究と呼ばれるもので、コロンビアの5~12歳の668人の小学生が対象となりました。この小学生たちを30ヶ月間追跡調査し、血液の中のアルファ-リノレン酸とリノール酸(サラダ油の成分;オメガ6系)の量を測定すると共に、体位測定を行ないました。お子さんの身長と体重を評価するためには成長曲線を用います。この成長曲線には我が国の場合には「パーセンタイル法」を用いますが、国際的には「変形標準偏差法」が用いられます。この研究ではこの「変形標準偏差法」が使われており、図の縦軸は標準偏差値となります。この研究では、特に6歳から14歳までの間の血液中のアルファ-リノレン酸とリノール酸の濃度変化と肥満度の関係を調べています。

    その結果、血液中の油の濃度が低い方から高い方に向かって4つのグループに分けて調べていますが、図のようにアルファ-リノレン酸をたくさん摂っているグループは、最もスリムでした(一番右側の赤色のカラム)。
     生涯に亘った肥満を防ぐためにも子どもの頃からえごま油を摂りたいですね。

    仕切り線

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