第75回 ナッツは美容に良いのか?
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5月23日〜25日に、フロリダで世界ナッツ及びドライフルーツ会議が開催されました。世界的に生産量が増え、ナッツブームが起こっていることが確認されました。このブームはナッツの健康効果が広まって来たことによります。日本でも、私が初めてナッツの健康効果を紹介した2010年の「世界一受けたい授業(日本テレビ系列)」以降、急速にナッツの販売量が増え、昨年2018年のアーモンドの売上は2010年の約2.1倍にもなりました。
海外ではナッツは栄養補助食品として使用されています。ナッツはエネルギーの高い食品で(23.4〜26.8 kJ/g)、脂肪(主にオメガ9系脂肪酸)、植物性タンパク質、炭水化物、食物繊維、そして多くの機能性物質を含んでいます。例えば、便通改善やガン予防、血糖値の抑制などをもたらす食物繊維は左図のように、さつまいもやキャベツの約5倍、ごぼうの約1.6倍も含んでいます。また、脂溶性ビタミンで細胞に入り込んで酸化ストレスから守ってくれるビタミンEは右図のように納豆の約3倍、かぼちゃの約5倍も含んでいます。これに加えて、肌や血管を守る機能性物質であるイソフラボン(ホルモネチン、ダイゼイン、ゲニステイン)、加水分解性タンニン、プロアントシアニジン(縮合型タンニン)、トコフェロール、カロチノイド、フィトステロールを含んでいます(J Oleo Sci. 2019 Feb 1;68(2):111-120)。
また、ナッツは、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、カリウム)やビタミン(ビタミンE、B、葉酸、ナイアエイン)の貴重な供給源でもあります。これらの成分が複合的にナッツを美容効果に結びつけているようです。