コラム

第105回 室内の空気を綺麗にするには?

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  • sn

    オミクロン株の大流行で、未だに私たちの生活にも制限が掛かっています。一方で、3回目のワクチン接種の促進やそもそもの季節要因(気温と湿度の上昇で私たちの粘膜は厚くなり感染が減ります)で、患者数は減少していくことが期待されます。この新型コロナウイルス感染で室内の空気環境が再び注目を集めています。
     そのような中で、実際の屋内環境でさまざまなサイズの粒子状物質とイオンの濃度を低減する空気清浄機の有効性の評価を行なった研究がなされました(Heliyon 2021 Sep; 7(9): e07976)。実験は一般的な室内空気と汚染源(蝋燭とお香)の存在下で、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)を備えた空気清浄機を用いました。この研究では空気の汚染源として蝋燭とお香を用いていますが、室内の空気の汚染源は、「料理」、「掃除」、「ペット」など様々なものがあります。この研究の結果は、さまざまな大きさの粒子(PM0.25とは0.25マイクロメーター以下の粒子で、0.25マイクロメーターは1ミリメートルの4000分の1の大きさです)を、一般的な室内空気と汚染源がある空気でそれぞれ12〜52%と29〜53%の範囲で減少させました(図参照)。 この研究ではイオンを発生させるタイプの空気清浄機との比較も行なっていますが、小さな粒子を取るためには、イオンを発生させるタイプのものよりもHEPAフィルター付のものが望ましいことも示しました。新型コロナウイルス単独あるいは空気中に浮遊している水滴等に付着したウイルスはこのフィルターで捕まえることができます。ただし、このHEPAフィルターは詰まり易いことも知っておく必要があります。

    仕切り線

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