第106回 コーヒーと紅茶
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緑茶には、抗酸化物質であるカテキンがたくさん含まれるために、身体に良いという報道は良くされますが、今回は、コーヒーと紅茶についての研究を紹介させて頂きます。
この研究((PLOS Medicine | https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1003830 November 16, 2021) は前向きコホート研究と言って、ある時点から後の生活様式と健康の相関を観察しました。特に、この研究では、コーヒー/紅茶の消費と脳卒中および認知症の発症との関連を推定しました。参加者は365,682人(50〜74歳)で、2006年から2010年まで研究に参加し、2020年まで追跡調査されました。研究の参加期間の4年の間に、5,079人の参加者が認知症を発症し、10,053人の参加者が脳卒中を発症しました。コーヒーと紅茶を飲まなかった人と比較して、1日あたり2〜3杯のコーヒーと2〜3杯の紅茶を飲むと、認知症のリスクは32%(HR 0.68; P <0.001)低くなりました。図のように、コーヒーを1日0.5〜1杯と紅茶を4杯以上飲む人が最も認知症になりにくいことが分かりました。また、脳卒中のリスクは28%(HR0.72; P = 0.002)低くなりました。さらに、コーヒーと紅茶を両方飲むと、脳卒中の後に認知症になるリスクが低くなるという結果を得ました。
不眠やめまいなどのカフェインの問題から、コーヒー(カフェイン1杯約90mg)や紅茶(カフェイン1杯45mg)を避ける傾向がありますが、今回の認知症予防の他に精神の安定や尿を出やすくする作用もあります。春になりました。良いお茶の時間で認知症予防をしましょう!