第125回 運動中のミネラル水
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このたびの能登半島地震で被災された皆様にはお悔やみ申し上げます。
さて、年末年始には体重が平均で0.9 kg増加するという報告もあります。春先に向けて、減量を行いたいと思っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。かく言う私もしっかり太ってしまい、運動を始めようと思っています。運動をすると脱水症状を呈してしまいますが、細胞レベルでは細胞外液の浸透圧が上昇し、運動能力と体温調節能力の低下を招きます。これを防ぐために飲むミネラル水について研究がなされました(J Int Soc Sports Nutr. 2019 Apr 4;16(1):15)。研究は女性(n = 8)と男性(n = 9)に、体重が3%減少するまで暑い環境下で運動を行なって頂きました。この間、被験者は、海洋深層水、スポーツドリンク、または温泉水のいずれかを、水分喪失量と同量補給しました。図に示すように、男性(90.0 ± 18.3 分)は女性(127.1 ± 20.0 分)と比較して、体重が3%減少するまでの時間が短かいことが分かりました(図B;P < 0.0034)。つまり、痩せることを目的に運動する場合、女性よりも男性の方が成功し易いことになります。これは女性に比較して男性の方が汗をかきやすいのがその一因であることが分かりました(図C)。一方で、運動中に飲むミネラル水の種類と体重減少とは関係ないことも明らかになりました(図A)。しかし、ここでは示していませんが、運動時の筋力の回復には海洋深層水が最も効果的であることが示されました。運動すると汗とともにミネラルが失われます。皆さんも運動される場合にはご自分に適合したミネラル水を選んで飲むようにして下さい。