コラム

第37回食事を考える(3)炭水化物

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  • sn

    今回は三大栄養素のひとつである炭水化物について考えたいと思います。

    炭水化物とは、元素では炭素、水素、酸素の3つで出来ている栄養素です。食事として炭水化物を摂った場合、分解(消化)されて、最後にはブドウ糖や果糖などになるため、「糖質(とうしつ)」とも呼ばれています。現在、ダイエットの手段として、糖質制限が流布されていますが、これには注意が必要です。

    脳は糖でしか動きません。糖質制限では、炭水化物(糖)を食べなければ、肝臓で作られるケトン体を脳が利用するし、糖がどうしても必要だったら代わりに脂肪が分解されて糖を作り出す(糖新生)ので、最終的には体脂肪が減ってダイエットになると言われています。確かに、間違っていません。教科書的にはそうなのです。が、脳がケトン体を使うのは長期の飢餓などの非常事態です。また、糖新生は、脂肪からは作られにくく、殆どがタンパク質からです。ですから、糖質制限を行なうと筋肉がボロボロになってしまうのです。

    スウェーデンとギリシアの研究では、表のように糖質制限をすると死亡率が高まることが分かってきました。私たちの周りには、幸せなことに現在、十分な食料があります。このような時代に、身体に無理をさせて飢餓状態を作ることはありません。この食料を効率よく摂り入れて行きましょう。要は食材の選択と適量を心がけることです。ちなみに、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2015」では、炭水化物は全体の食事の50~65%になるように摂るべきだとしています。

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