第4回増えている肺の病気
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肺の病気が増えています。原因は様々ですが、高齢化、大気汚染、喫煙など様々な原因が考えられています。
例えば、肺がんは、図に示すように、現在日本のがん死亡者数ではトップです。がんには至らないものの、生活の質(QOL; Quality of Life)を著しく悪化させるものに、激しい息切れがある慢性閉塞性肺疾患(COPD)が良く知られるようになりました。
日本では50万人程度が病院に掛かっておられますが、潜在患者を加えると600万人を超えると言われています。以前は、このCOPDは「たばこ病」とも言われるほど、たばこを吸っている人、あるいは吸ったことがある人、更には、家族等にヘビースモーカーがいて受動喫煙のあった人に多くの発症がありました。
しかし、その後他の大気汚染物質や高齢化でも発症することが分かり、現在の名前になりました。私たちは自然界のものは安全で、人工的なものは危険だと考えがちですが、肺の病気に関しては、自然界にもたくさんの危険が潜んでいます。
次号でお話をさせて頂くPM2.5もそうですが、火山灰、黄砂、海塩なども肺には障害を与えます。鹿児島大学の調査では、桜島の火山灰によって鹿児島のある地方では肺がんの発生が他の地域に比べると約60%以上増加しています。外国では畑の野焼きも肺の病気の大きな原因になっています。