コラム

第5回PM2.5の話

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  • sn

    今、PM2.5が大気汚染問題として大きく取り上げられています。

    PM2.5とは、直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の小さな粒子の総称です。2.5μmとは1mm(ミリメートル)の400分の1の大きさです。とても眼で見ることはできません。また、総称と書いたように、この粒子は特定のものを指している訳ではなく、小さいのであればあらゆるものをPM2.5と言います。ですから、その粒子自体の性質としては安全なものも、危険なものもあります。

    ですが、PM2.5はどのような粒子であろうと“小さいこと”が問題となります。写真は私たちの研究室で作った人工的なPM2.5(樹脂で作りました)です。夏である今の季節には、問題にはされませんが、また次の冬にはPM2.5の問題が出て来るはずです。

    それは日本のPM2.5の約半分が越境型の汚染だからです。つまり、PM2.5の半分が中国や韓国からやってきます。PM2.5は肺や循環器の病気を引き起こします。中国の名門大学である精華大学の調査では2010年に中国でPM2.5が原因で亡くなった人は、肺の病気で35万人、循環器の病気で88万人、合計すると123万人にも上ります。

    これはPM2.5が小さいために、肺や腸から身体の中に入っていき、細胞を殺したり、血管を詰まらせたりするためです。雨が多い夏場は大丈夫ですが、乾燥した冬場になるとPM2.5には要注意。特に西日本ではPM2.5の警報が出た時には、もともと肺や循環器の病気がある人、そして子どもたちはマスクをすることを心掛けましょう。

    仕切り線

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