コラム

第8回消化の話~その3

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  • sn

    今回は消化と肥満の話です。

    現代の生活習慣病の元凶は、肥満だとも言われています。日本人は欧米人ほどには極端な肥満は見られませんが、それでも男性の場合には20年前や10年前に比べて、肥満は確実に増加しています。特に40代~60代は肥満の割合が多く、30%以上の人が肥満と診断されています。

    一方で、女性は20年前や10年前に比べると肥満が減っています。ダイエットに関心が高まっているせいかもしれませんね。肥満の基準は、お腹周りの大きさで判断します。へその周りの長さが、男性では85㎝以上、女性では90㎝以上が肥満と判断されます。

    生活習慣病には内臓脂肪の量が大きな影響を与えます。女性は皮下脂肪型肥満が多いのですが、男性は写真のような内臓脂肪型肥満が多いため、女性よりも男性の方が厳しい値になっているのです。

    さて、この肥満を解消するためには、食事療法や運動療法などがよく知られていますが、どうしても痩せなければいけない人には薬物療法も選択肢のひとつです。肥満治療薬は日本ではふたつの薬が承認されています。ひとつは脳に働きかけて食欲を抑えるもの。そしてもうひとつは、腸の中で脂肪を分解させない薬です。

    脂肪はお腹の中でリパーゼという酵素によって、脂肪酸とグリセリンに分解されてから体内に吸収されます。このリパーゼの働きを抑えて食べた脂肪を吸収させない薬です。私たちは人類の歴史の中で稀に見る飽食の時代を過ごしています。今、食事を見直す時代に差し掛かっているのかもしれません。

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