第9回高血圧~その1
-
今号から、血圧の話をさせて頂きます。
平成18年度国民健康・栄養調査では、日本では高血圧の人は約4000万人、おおよそ3人にひとりが高血圧だと言われています。血圧は、心臓から送り出された血液が血管などの壁を押す力です。心臓は自らを小さくしたり(収縮)、大きくする(拡張)ことで、栄養や酸素を運ぶ血液を全身に送り出しています。この数は、毎分50~80回くらいで、この回数を脈拍数と言います。
心臓が小さくなって血液を最大に押し出した瞬間は、血管にいちばん強く力が加わります。これを収縮期血圧(最高血圧)といいます(よく血圧の“上”と呼ばれるものです)。そして、心臓が最も大きくなった瞬間は血管にいちばん力が掛かりません。これを拡張期血圧(最低血圧)といいます(血圧の“下”と呼ばれるものです)。これら収縮期血圧と拡張期血圧のどちらが高くても、高血圧と呼びます。
血圧が高くても必ずしも自覚症状(例えば頭痛)があるとは限りません。高血圧が「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と呼ばれる所以です。これまでは、収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧と呼びましたが、予防のために、近年、正常高値血圧(境界域)を設け、130~139mmHgあるいは80~89mmHgの人にも注意を促しています。
血圧は、年齢と共に高くなっていきます(図参照)。図から分かるように、若い時には女性の方が血圧は低いのですが、年齢を重ねるにつれて、男性と逆転します。40歳を越えたら血圧管理のために毎日血圧を測りたいものですね。