第10回高血圧~その2
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高血圧のお話の前に、少し嬉しいニュースをひとつ!昨年末に厚生労働省が発表した国民健康・栄養調査で、糖尿病が強く疑われる人と、可能性を否定できない「予備軍」の人の合計が2012年は約2050万人とされました。調査を始めた1997年以来初めて減少に転じ、前回の2007年調査から約160万人減ったことになります。ここ数年明らかに意識が高まって来た「健康」へのアプローチが実を結んだ格好です。素晴らしいですね。
さて、高血圧ですが、高血圧の原因は様々です。生活習慣、遺伝的な体質、薬物の副作用などが挙げられます。右表のように、この中で遺伝的な体質は明らかで、両親が高血圧である場合には、60%の人が実際に高血圧になっています。片親が高血圧である場合には30%まで減ります。そして、両親が高血圧でない場合には、高血圧に罹患する人は約5%と減少するのです。
そうか~、高血圧は遺伝で決まるんだとがっかりする必要はありません。遺伝的な体質がある人も生活習慣にさえ気を付けていれば高血圧のリスク(危険性)は大幅に減るという研究結果も出ています。
食事では、肥満にならないように総カロリーに注意を払い、塩分を摂り過ぎないようにすることが大事です。塩分は血管などを縮めて血圧を上げます。1日の推奨量は男性10g、女性8gですが、実際には日本人は毎日12g程度を摂取しています。薄味を心掛けることが大切ですね。
また、適度な運動は血圧を下げます。毎日の運動は欠かせませんね。最後にお酒。お酒を飲んだその時は、血圧は下がります。しかし、飲み続けると血圧が徐々に上がっていきます。ストレスが程よく抜ける程度の酒量にしたいものです。