第15回予防医療とは
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予防医療という言葉が、良く使われるようになってきました。病気になってからそれを治すより、予め病気になりにくい心身を作ることです。
さらには、病気の予兆を早期に見極め、大病に至らない前に治療を施すことも広い意味での予防医療に含まれます。従って、毎年行われる健康診断や人間ドックも予防医療ですし、皆さんが日々取り組んでおられる散歩や体操、そしてちょっとした食事の工夫もすべて予防医療に含まれます。
このような予防医療が広く知られるようになってきたのは、超高齢化社会を迎え(65歳以上の人が人口の20%を超えた社会、日本は平成19年に21.5%となり超高齢化社会を迎えました)、病気を持つ人だけでなく、健康な人も、現在、そして未来の自分の健康上の問題を知り、それを未然に防いだり、未然に解決することで、人生そのものをより充実したものにするために必要な医療です。もちろん、予防医療が拡がってきた要因として、医療政策上の問題もあります。
図のように、日本の医療費は急速に増え続けています。医療費が過大になっていると言われ続けて20年以上が経っていますが、未だに医療費は伸びているのです。この医療費の伸びを抑えることができないと、日本の優れた健康保険制度が崩壊するおそれがあります(昨年の国の税収は約45兆円、医療費は約38兆円)。国民全員が健康保険を持っていないアメリカでは、自己破産者の半数が医療費の支払いによる破産だと言われています。
病気を未然に防いで、あるいは小さな芽のうちに摘み取って、健康で充実した人生を全うしたいものです。