第17回ジェネリック医薬品(2)
-
私が講演をさせて頂くと、「薬局でジェネリック医薬品を勧められますが大丈夫でしょうか?」という質問をよく受けます。
ジェネリック医薬品は、新薬(特許があり、安全性試験や治験を終えた薬)に比べると、試験される項目が少ないために品質が安定しないと思われているのでしょう。ジェネリック医薬品の有効成分は新薬で有効性や安全性が確立されているため再び試験をする必要がありません。ジェネリック医薬品は「規格及び試験方法」、「安定性試験」、「生物学的同等性試験」だけで発売ができるのです。
そのような中で、約5年前にジェネリック医薬品の製造ミスがありました。ミスがあったのは潰瘍の治療薬で、半年間に出荷した約285万錠について有効成分が20%多いものがあったり、20%少ないものがあったりしました。つまり、潰瘍の治療のために薬を飲んでいるのに、潰瘍が悪化する副作用が出たり、潰瘍に効果がなかったりしたのです。この事件は医療関係者や患者さんにジェネリック医薬品に対する不信感を与え、日本でのジェネリック医薬品の普及を妨げる結果となりました。
それでも、ジェネリック医薬品の普及を厚生労働省が進めているのは表でも分かるように、ジェネリック医薬品は非常に安く、医療費を下げる効果が大きいからです。ジェネリック医薬品の更なる品質検査が求められる所以です。