コラム

第22回認知症の発見、予防、そして治療(2)

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    認知症は大きく血管性認知症と変性性認知症に分けることができます。この他にも感染症等の原因もありますが発症数としては多くはありません。血管性認知症とは脳梗塞(脳に血液が流れないこと)や脳出血(脳の血管が破れて出血すること)の後遺症として神経が障害を受け、それによって記憶や判断などを司る機能が失われて認知症となるものです。

    従って、障害を受ける部位によっては、例えば、運動機能だけが失われて認知症にならない場合も多くあります。もうひとつの変性性認知症の代表的なものはアルツハイマー型認知症です。この病気では遠い昔の記憶は失いにくいのですが、つい最近の記憶が曖昧になります。また、急激に認知障害になるわけではなく、徐々に進行していくことも特徴のひとつです。

    これらの認知症を予防するためには、運動と食事が重要になります。血管性認知症では、血管を柔軟にし、血液中の中性脂肪を減らすことで脳梗塞や脳出血を防ぐことができます。適度な運動は勿論、良質の脂肪などをバランス良く摂ることが予防につながります。

    アルツハイマー型認知症では、遺伝の要因もありますが、高血圧、糖尿病、喫煙などが発症を高めることが知られています。アルツハイマー型認知症では、現在は数種類の薬が販売されており、これらはアセチルコリンという脳内物質を増やし、脳を薬によって刺激します。薬による治療を行うためにも、早期のアルツハイマーの診断が重要です。近頃では、PET(陽電子消滅断層撮影)という方法などが開発されています(写真参照)。

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