コラム

第25回認知症の発見、予防、そして治療(5)

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  • sn

    認知症に関する最後の回です。

    近頃、テレビCMで「レビー小体型認知症」と言う言葉が使われています。日本における認知症ではアルツハイマー型認知症が過半数を占めますが、2位の血管性認知症(脳出血や脳梗塞などによって脳細胞が減って起こる認知症)に次いで多いのが「レビー小体型認知症」です(図参照)。

    図は15年ほど前の統計ですが(その後、大規模な統計が行われていないのです)、現在では、その診断方法が進んだことによって、血管性認知症と同じくらいに増加していると言われています。この「レビー小体型認知症」は、従来からパーキンソン病患者の脳で見つかっていたレビー小体というタンパク質が認知症にも関係していることが分かってからこの病名が付けられるようになりました。この認知症は他の認知症とは異なり、早い時期に、幻視や錯視が見られます。幻視や錯視は、実際には存在しない物や人が見えることです。

    また、この認知症は人を覚えられない・間違えるや(パーキンソン病と同じタンパク質が脳に存在するので)動作が鈍いなどの特徴があります。現在までのところ、根本的な治療薬はありませんが、進行を止める薬は幾つか開発されています。幻視などを伴った認知症を疑った場合には、早期に専門医に相談しましょう。

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