コラム

第31回えごま油(2)

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    えごま油に含まれるα-リノレン酸は、身体の中で作ることができない必須脂肪酸です。

    油はグリセリンと言うアルコールの一種に、油を特徴付ける脂肪酸が3つ結合しています。油を摂ると十二指腸から出てくる膵液の中のリパーゼという酵素によって分解されます。油は分解されることで始めて小腸から吸収されます。この吸収の時に、リパーゼと共に必要なのが胆汁です。胆汁がないと折角、油がグリセリンと脂肪酸に分解されても小腸から吸収できません。従って、胆嚢を手術で取った人は、胆嚢で胆汁を濃縮することができないので、小腸に出てくる胆汁が少なく、油が吸収しにくくなります。そのため、胆嚢を取った人は天ぷらなどの油料理をたくさん摂ると下痢などを引き起こすことがあります。

    この脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類できます(図を参照して下さい)。飽和脂肪酸とは炭素原子というものが鎖状にまっすぐに並んでいます。一方で、不飽和脂肪酸とは並んだ炭素原子の間に「二重結合」というものがあります。この「二重結合」があると炭素原子がまっすぐに並びません。

    えごま油のα-リノレン酸の最は不飽和脂肪酸であり、油の中では最もたくさんの「二重結合」があります。えごま油はオメガ3系と呼ばれますがこれは、脂肪酸の端っこから数えて“3番目”に始めて「二重結合」が出てくるから、オメガ3と呼ばれます。“6番目”に始めて「二重結合」が出てくるとオメガ6と呼ばれます。

    仕切り線

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