コラム

第32回えごま油(3)

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  • sn

    現在、えごま油は心臓や血管に強さやしなやかさをもたらすもの、そして、体内の活性酸素を減らすものとして注目を集めています。これらは心臓や血管を若返らせますが、この若返りは様々な効果につながります。

    例えば、血管が若返ることで、糖尿病への効果が期待されています。56名の初期糖尿病患者あるいはメタボリック症候群を2つのグループに分け、コーン油などのオメガ6と呼ばれる油とえごま油などのオメガ3と呼ばれる油を8週間食べ続けてもらいました。

    その結果、図のように、えごま油などのオメガ3の油を食べたグループだけインスリンの分泌が増えていました。インスリンは血糖値を下げる大事なホルモンです。また、近年、血糖値に代わって糖尿病の診断に多く用いられるようになったHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)の値も大きく下がりました。

    これらは、初期の糖尿病患者などに対する効果ですが、現在、より重篤な糖尿病患者などに関しても研究が進んでいます。インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)、あるいはインスリンが効果を示す筋肉などでもえごま油が良い作用をしているのかもしれません。詳細な研究はまだこれからですが、期待が持てるヒト試験の結果が出て来ています。

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