第36回食事を考える(2)エネルギー
-
人間を始めとして動物は炭水化物、タンパク質、脂肪を食べて、消化・吸収し、それを身体の中で、二酸化炭素と水になるまで分解し、その分解の時に出てきたエネルギーで、生命を維持しています。
このエネルギーの単位は「ジュール(J)」で表されますが、私たち日本人には「カロリー(cal)」の方がずっと馴染みがあります。日本では、1999年から特別に食物に関しては「カロリー」を使って良いことになっています。今でも実際にお茶碗一杯のごはんは約200キロカロリーなどと使われています。
さて、冒頭の炭水化物などがどれくらいのエネルギーを持っているかと言うと、炭水化物1gあたり4.1キロカロリー、脂肪1gあたり9.3キロカロリー、そしてタンパク質1gあたり4.1キロカロリーです。つまり、同じ量を食べると脂肪は他のものよりも2倍以上エネルギーを得ることが出来るのです。
従って、食料が乏しい昔は、脂肪は大変なご馳走でした。一方で、飽食時代を迎えている現在では、脂肪は逆に肥満の原因となると敬遠されています。表は魚に関する栄養素の表ですが、実際の食事では廃棄率や栄養のバランスを考えて食材を選ぶことが大事です。文部科学省が提供している五訂増補日本食品標準成分表は、詳細なデータが載っています。活用すると良いでしょう。
次回から、この3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂肪)についてそれぞれ書かせて頂きます。