第39回食事を考える(5) 脂肪
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今回は三大栄養素の最後のひとつである脂肪について考えたいと思います。現代人は「脂肪」と聞くだけで、顔をしかめてしまう方もいらっしゃると思います。しかし、人間の60兆個の細胞はタンパク質で出来ていますが、その周囲を取り囲んでいるのは脂肪です。ですから、食物として脂肪を摂らないと細胞は代謝されていかないのです。ですから、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、食事のエネルギーのうち、約25%は脂肪から摂ることを薦めています。すなわち、1日では脂肪(油脂)としては40~50g程度摂ることが必要なのです。
脂肪の種類としては、コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、およびリン脂質があります。この中の中性脂肪は遊離脂肪酸3個がグリセリンと結びついたものです。ですから、中性脂肪が分解すれば遊離脂肪酸になり、遊離脂肪酸が集まれば中性脂肪になるのです。現在、健康素材として注目を集めているえごま油はオメガ3という人間では作れない脂肪酸をたくさん持っている希少な油なのです(図参照)。
コレステロールは体内で合成される脂肪です。ですから、食べ物の中のコレステロールがそのまま血液の中のコレステロールとなるわけではありません。ですから、コレステロールを含む食物を避ける必要はありません。