第44回運動を考える(1)
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厚生労働省が進める「健康日本21」は健康増進法に基づいて、国民の健康の総合的増進を図るための基本的な事項を示したものです。この中では生活習慣および社会環境の改善の一番目に「栄養・食生活」が挙げられ、続いて「身体活動・運動」が挙げられています。
ちなみに三番目以降は、「休養」、「飲酒」、「喫煙」と続いていきます。このように政府によって取り上げられるまでもなく、私たちは運動が心身の健康に重要であることを知っています。現代人の生活習慣では機械等の発展や人口の増加によって家事などの生活行動や仕事などの労働行動によって身体を使うことが減少しており、意識的に身体を動かす運動が重要になってきます。
例えば、運動の基本である歩くことに対して、上記「健康日本21」では男性は1日9000歩以上、女性は1日8500歩以上を推奨しています。しかし、平成18年~22年の調査では平均で男性は7225歩、女性は6287歩と2000歩以上不足しています(近年でもほぼ同様な歩数です)。都道府県別では図に示すように、男女ともに、上位に兵庫、東京、神奈川が並んでいます。一方で、下位は青森、鳥取、秋田、山梨などが並んでいます。いわゆる都会と呼ばれる地域の住人の方がよく歩くことが分かっています(東京の地下鉄大手町駅の乗り換えは約600mです)。現代人は車を使わず少し歩く努力が必要です。