第48回運動を考える(5)
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ここ数回、運動について解説させて頂いております。これまでは散歩を中心に書いて来ましたが、今回は、バランス
運動について書かせて頂きます。元々、人間は生物の中では、二足歩行という非常に稀な生活様式を持っています。
四足を用いた方が、安定がよく転倒の恐れなどがないのですから、陸上の多くの動物が四足を用いている意味が分かろうというものです。一方で、人間は二足での生活を手に入れることで、大きな脳を身体の上に載せることができるようになりました。従って、人間は、身体の安定性と引き換えに、知能を手に入れたのです。
私たち人間の姿勢は、視覚(眼)による情報獲得、足の筋肉や圧力などからの情報を脳(前庭など)で処理し、筋肉を調整することによって保たれます。文部科学省が定める高齢者向けのバランス能力評価方法は「開眼片足立ち」です。これは上に書いた情報の獲得→脳の処理→筋肉調整を全て駆使することが出来るために自らのバランス能力を
適切に知ることが出来ます。この測定方法は、
1) 素足になる。
2) 両手を腰に当て、どちらの足が立ちやすいか、左右の足を挙げてみて
確かめる。足を挙げるのは足裏を床から5 cm程度とする。よくあるよう
に片足をフラミンゴのように大きく曲げて挙げる必要はありません。
3) 足を下ろすまでの時間(秒)を測る。2回行って良い方を採用する。
65~69歳の男女でだいたい85秒、70~74歳の男女でだいたい70秒、
75~79歳の男女でだいたい50秒が平均です(図参照)。一度挑戦して
みては如何でしょうか。
次回は、このバランス能力を鍛える運動について書かせて頂きます