コラム

第95回 ラクトフェリンとCOVID-19

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  • sn

    原稿を書いております4月上旬時点では、いわゆる第4波が日本を覆っております。会食が悪者のように語られていますが、マナーの問題を対策と呼ぶのは残念な気がしています。それよりもワクチン接種が日本は先進国では最も進んでいないことの方が問題かもしれません(4月上旬時点で日本の累積接種回数は約128万回であり、米国は約1億6700万回、英国は約3700万回など)。
     さて、この新型コロナウイルス(2019年コロナウイルス病;COVID-19)は、高齢者や肺や心臓・血管に基礎疾患のある人の臨床転帰は深刻です。つまり重症の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や死亡につながる可能性があります。さて、この新型コロナウイルスの各種症状に哺乳動物から分泌されるラクトフェリンが、有効ではないかということを示唆する論文が発表されました(Exp Ther Med 2020 Dec; 20(6): 272)。ラクトフェリンは安全な鉄結合糖タンパク質であり、コロナウイルスを含む幅広い抗ウイルス作用を示します。さらに、ラクトフェリンは、新型コロナウイルスに感染した場合の症状である炎症、さらなる感染、免疫異常にも効果を持っています。
     図には少し難しいですが新型コロナウイルスがヒトの細胞の中に入って増え続ける仕組みを示しました。ウイルスは生き物ではありませんので、自分自身では増えることはできません。そのため、ヒトの細胞の中に入って、ヒトの細胞を利用して増え続けるのです。ラクトフェリンはウイルスを細胞に入れ難くする作用があります。新型コロナウイルスに対するラクトフェリンの臨床効果については現在、世界中で研究中です。楽しみです。

    仕切り線

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